USBチューナーを利用して短波を受信する話。以下の記事の続きです。
http://radio-no-koe.seesaa.net/article/416025094.html
"[再]USBドングルでSDR受信機(その7) DRM受信"
Computer Radio RF Tech (ttrftech)さん&シャフトコーポレーションさんのHFコンバータ(SC-HFCONV-100) を利用して、短波放送を受信しています。夏秋以降の台風の季節に備え、SDR受信機を使って短波帯の気象FAXを受信する方法について紹介します。
受信はHDSDRのUSBモードでOKですが、この他に2種類のソフトウェアが必要です。
[1] オーディオ信号からFAX画像を再生するためのソフトウェア
ソフトウェアは、KG-FAXの名前で検索すると、作者さまのサイトからダウンロードすることができます。電波形式F3C信号をオーディオ信号から復号するための音声デコード用ソフトウェアで、昔からよく知られたソフトウェアですね。
[2] HDSDRとKG-FAXをオーディオ信号として接続するためのソフトウェア
DRM再生用のDreamとHDSDRを「オーディオ信号」として接続するために紹介したVirtual Audio Cable(VAC)が役立ちます。
既にDRM再生のために、ヤマハさんの「NETDUETTOβ」をインストールされている場合は、その中にVACが含まれているので、それをそのまま活用できます。これから取得される方は、個人が所有するPCのみで利用し、かつ、これを使った商売をすることがなければ、無料で利用することができます。以下のサイトにて、必ず「使用許諾条件」に同意してから入手の上、インストールしてください。
http://netduetto.net/download/
■受信の手順
いよいよ、受信のための手順です。
まずは[1][2]のソフトウェアインストールを完了させてください。
DRM受信と同様に、HDSDRを起動し、SoundCard[F5] をクリックすると、以下のような画面が現れます。ここで、RXoutput(to Speaker)を「ライン [Yamaha NETDUETTO Driver]」へ切り替えてください。

つづいて、KG-FAXを起動し、波形のマークをクリック、「入力デバイス選択」を「ライン(Yamaha NETDUETTO Driver」へ変更してください。
さらに、受信対象局の「回転速度」と「同期信号長」を設定してください。その数値は、KG-FAX の readme.txtに説明されています。その中でも、日本の気象FAXが安定して受信できますので、120rpm,20msecと設定しています。
ここまで来ましたら、HDSDRへ戻り、KG-FAXのreadme.txtに記載されている通りに、周波数を選択し、USBへ切り替えてください。初めての方には、日本の7793.1kHzがお勧めです。周波数は公表★されている周波数から -1.9kHzずらして受信するのがコツだそうです。
★公式な周波数は以下の気象庁サイトにあります。
http://www.jma-net.go.jp/common/177jmh/JMH-JPN.pdf
うまく受信できましたら「掃引」「自動制御」「自動保存」「同期」の各ボタンをすべて押して、受信されるのをお待ちください。「自動保存」の保存先のデフォルトはKG-FAXのインストール先であり、フォーマットはこのソフトウェア専用ですが、BMPまたはJPEGへ出力する機能もあります。
なにせ、FAXなので・・・受信されるまで、気長に待ちましょう。
なお、せっかちな方は、以下へアクセスしてください。ここに、気象FAXにて配信されているものと同じ図面がUPされています。
http://www.jma.go.jp/jmh/jmhmenu.html
”気象庁:船舶向け天気図提供ページ"
また、伝送される図面の種類を知りたい方も上記のWebをご参照ください。時間によって、伝送される天気図の種類が決まっています。この中でも一般になじみがあるのは、以下ですね。
ASAS-12 地上解析(アジア地上天気図)
STPN-12 海氷情報(日本列島近海の流氷位置の情報)
WTAS-12 台風予報(日本列島に向けての台風の進路予報)
静止気象衛星雲写真
このうち、海氷情報は流氷が近づいている時期に、台風予報は台風が近づいている時期だけの送信だそうです。
この日本発の気象FAXは正式名を「気象無線模写通報」と呼び、JMHというコールサインにて、鹿児島県漁業無線組合の漁業無線局から送信されています。この局は航空気象のVOLMET放送も送信しています。
どちらかといえば、深夜に受信するほうが、画像が安定しています。今晩、挑戦してみませんか?
これを使って、日本国民総予報官をめざしましょう・・・。
次回は、航空用のVOLMETを受信してみます。それでは。
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