2015年03月28日

B14 [再]USBドングルでSDR受信機(その8) 気象FAX

[注]本稿は2014年10月11日に掲載したものを再編集したものです。
USBチューナーを利用して短波を受信する話。以下の記事の続きです。
http://radio-no-koe.seesaa.net/article/416025094.html
"[再]USBドングルでSDR受信機(その7) DRM受信"


Computer Radio RF Tech (ttrftech)さん&シャフトコーポレーションさんのHFコンバータ(SC-HFCONV-100) を利用して、短波放送を受信しています。夏秋以降の台風の季節に備え、SDR受信機を使って短波帯の気象FAXを受信する方法について紹介します。

受信はHDSDRのUSBモードでOKですが、この他に2種類のソフトウェアが必要です。

[1] オーディオ信号からFAX画像を再生するためのソフトウェア

 ソフトウェアは、KG-FAXの名前で検索すると、作者さまのサイトからダウンロードすることができます。電波形式F3C信号をオーディオ信号から復号するための音声デコード用ソフトウェアで、昔からよく知られたソフトウェアですね。

[2] HDSDRとKG-FAXをオーディオ信号として接続するためのソフトウェア

 DRM再生用のDreamとHDSDRを「オーディオ信号」として接続するために紹介したVirtual Audio Cable(VAC)が役立ちます。

 既にDRM再生のために、ヤマハさんの「NETDUETTOβ」をインストールされている場合は、その中にVACが含まれているので、それをそのまま活用できます。これから取得される方は、個人が所有するPCのみで利用し、かつ、これを使った商売をすることがなければ、無料で利用することができます。以下のサイトにて、必ず「使用許諾条件」に同意してから入手の上、インストールしてください。
http://netduetto.net/download/

■受信の手順
いよいよ、受信のための手順です。

まずは[1][2]のソフトウェアインストールを完了させてください。

DRM受信と同様に、HDSDRを起動し、SoundCard[F5] をクリックすると、以下のような画面が現れます。ここで、RXoutput(to Speaker)を「ライン [Yamaha NETDUETTO Driver]」へ切り替えてください。
hdsdr_drm_141011_0.png

つづいて、KG-FAXを起動し、波形のマークをクリック、「入力デバイス選択」を「ライン(Yamaha NETDUETTO Driver」へ変更してください。

さらに、受信対象局の「回転速度」と「同期信号長」を設定してください。その数値は、KG-FAX の readme.txtに説明されています。その中でも、日本の気象FAXが安定して受信できますので、120rpm,20msecと設定しています。

ここまで来ましたら、HDSDRへ戻り、KG-FAXのreadme.txtに記載されている通りに、周波数を選択し、USBへ切り替えてください。初めての方には、日本の7793.1kHzがお勧めです。周波数は公表★されている周波数から -1.9kHzずらして受信するのがコツだそうです。

★公式な周波数は以下の気象庁サイトにあります。
http://www.jma-net.go.jp/common/177jmh/JMH-JPN.pdf

うまく受信できましたら「掃引」「自動制御」「自動保存」「同期」の各ボタンをすべて押して、受信されるのをお待ちください。「自動保存」の保存先のデフォルトはKG-FAXのインストール先であり、フォーマットはこのソフトウェア専用ですが、BMPまたはJPEGへ出力する機能もあります。

なにせ、FAXなので・・・受信されるまで、気長に待ちましょう。

なお、せっかちな方は、以下へアクセスしてください。ここに、気象FAXにて配信されているものと同じ図面がUPされています。
http://www.jma.go.jp/jmh/jmhmenu.html
”気象庁:船舶向け天気図提供ページ"

また、伝送される図面の種類を知りたい方も上記のWebをご参照ください。時間によって、伝送される天気図の種類が決まっています。この中でも一般になじみがあるのは、以下ですね。

 ASAS-12 地上解析(アジア地上天気図)
 STPN-12 海氷情報(日本列島近海の流氷位置の情報)
 WTAS-12 台風予報(日本列島に向けての台風の進路予報)
 静止気象衛星雲写真

このうち、海氷情報は流氷が近づいている時期に、台風予報は台風が近づいている時期だけの送信だそうです。

この日本発の気象FAXは正式名を「気象無線模写通報」と呼び、JMHというコールサインにて、鹿児島県漁業無線組合の漁業無線局から送信されています。この局は航空気象のVOLMET放送も送信しています。

どちらかといえば、深夜に受信するほうが、画像が安定しています。今晩、挑戦してみませんか?

これを使って、日本国民総予報官をめざしましょう・・・。
次回は、航空用のVOLMETを受信してみます。それでは。

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ラベル:BCL 短波放送 日本 SDR
posted by ラジオの声 at 08:18| RTL-SDR | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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