JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、4/10、磁気圏観測衛星「あけぼの」の運用を終了する、と発表した。目標寿命1年だったが、26年も稼動し、現在も、オーロラとヴァン・アレン帯に関わる研究観測のために活用されている。http://www.jaxa.jp/press/2015/04/20150410_akebono_j.html
「あけぼの」の打ち上げは1989年2月。その概要は以下の通り。
http://www.jaxa.jp/projects/pr/brochure/pdf/04/sat18.pdf
(一般向けリーフレットより)
「あけぼの」による主な成果は以下の通り。
1)オーロラの発光は夏よりも冬が強いことの理由の解明
2)ヴァン・アレン帯の変動と太陽活動との関係の究明
電荷を持つ粒子が加速されることでオーロラが発光することがわかっていたが、もともと、「あけぼの」は、その仕組みを解明するために、その当時としては最新の観測機器と共に打ち上げられた。のちに、ヴァン・アレン帯が持つ複数のベルトと、スロット領域と呼ばれるベルト境界の観測にも活用されるに至った。
何よりも、26年に及ぶ長期の観測が実現できたことから、太陽活動の11年周期に応じて、ヴァン・アレン帯の「外帯」が変動する様子も明らかにすることができた。
また、太陽風が起因する磁場が南向きになると「磁気嵐」と「オーロラ」を発生させることがわかっているが、ヴァン・アレン帯の中の電子数が増大することも明らかにされた。
放射線を帯びた領域を繰り返し通過するため、オーロラ観測用カメラなど、次々と観測機器が劣化により機能を停止。太陽電池の劣化の影響で高度を維持することができなくなったこともあり、今月(2015年4月)をもって、衛星としての運用を終了することになった。
【関連記事】
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""ヴァン・アレン帯と電離層とオーロラ" ('14.11.30)
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2015年04月11日
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