NXPセミコンダクターさんのワンチップマイコン LPC4370 には、高速ADCとARMのCortex-M4コアが1つのデバイスに内蔵されています。これをSDRとして応用し、FMラジオ、AMラジオ、そしてついに短波ラジオを実現した、というアグレッシブな記事が掲載されています。
CQ出版さんの Interface誌 2015年7月号から始まった「オール・ソフトウェア無線」をテーマとする記事です。RTL-SDR向けのHFコンバータ基板を設計されたTT@北海道さんが格闘されていた成果が記事になっています。
RTL-SDRにせよ、PERSEUSのようなSDR受信機にせよ、従来のSDRは、受信した電波を「ADCデバイス」でアナログ−デジタル変換し、それを「復号回路を搭載したデバイス」へ入力して、ラジオとして機能させていました。
それに対して、このSDRは、ADCを内蔵したマイコンなので、「復号回路」を、ARMコアのプログラミング、すなわち「ソフトウェアのみ」で実現させようとしているところが違います。
特に、7月号の記事はFMラジオの特集ですが、デジタル・サンプリングの考え方やSDRを理解するための多数の解説があります。SDR受信を設計するにあたっては、受信したい周波数によって、ナイキスト周波数と折り返し歪みに気をつけなければなりません。(墓穴を掘りそうなので、これ以上の詳細は省略します)
その2015年7月号では、FMラジオの延長でAMラジオも実現されたそうですが、機能が十分ではなかったそうです。その後、2015年10月号と2015年11月号にて、AMラジオの改良が実現したそうです。
さらに、12月号では「短波ラジオ」も実現。「同期検波」にも挑まれたそうですが、さて、その結果やいかに・・・
この記事で使われているマイコン基板 LPC-Link2 は、秋葉原でも2800円で売られているもので、評価目的の汎用基板なので、デバッグ用ソフトウェアもビルトインされているようです。
これこそ、21世紀の1石(=ワンチップマイコン)ラジオですね。しかも、昔との大きな違いは、これだけでFMもAMも短波もOK、という点でしょうか・・・
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2015年10月28日
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