この本は、著者である近藤正高さんが Cakes というサイトに1年間にわたり連載されたものをベースに単行本化したもので、他のタモリ本の作者の皆さんへの敬意を示すとともに、独自に取材された内容も盛り込まれています。
ラジオに関しては、およそ6ページにわたり記載されており、タモリさんが暮らしていた福岡では、満州出身のご両親のもとで、家の中では常にラジオが聴こえていたことや、ラジオ沖縄をはじめ、中国語・韓国語など多数の外国語ラジオ局が聴こえていたことが、後の「4か国語麻雀」や「ハナモゲラ語」につながったと解説しています。タモリさんにとって外国語とは「音楽」の一種であり、意味を知ってしまった瞬間から興味がなくなる、という発言から、「タモリ倶楽部」のコーナー「空耳アワー」との共通点を導いています。
その他、「オールナイトニッポン」の「ソバヤ」のエピソードは既に多数語られていますが、80年代に「もっとも嫌いなタレント」の上位にいたタモリさんが、突然、「もっとも好きなタレント」に移り変わった理由の一つとして、ニッポン放送で夕方に放送された某番組をきっかけに主婦層・女性リスナーにファンを広げるきっかけとなったこと。さらに、最新のエピソードとして、船舶無線通信士に興味があったタモリさんが、テレビ番組「ヨルタモリ」に使った謎の記号が、船舶を識別するための「国際信号旗」であったことなど、これまで多数出版された「タモリ本」を総括する内容なので、無線とラジオ好きの皆さんにも、読みごたえがありそうな気がしました。
作者の近藤さんは、タモリさん自身がラジオであった、とコメントされています。
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