TCP接続によるRTL-SDR受信機リモート運用(その2) ('17.11.18)の続きです。この最終回は、Windows PC と Android で起動できるアプリケーション(受信機)を操作してみます。
■ TCP接続先の確認
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その2で起動したTCP接続用サーバーのIPアドレスを確認してください。私の場合は、プライベート・アドレスにて、192.168.11.2:1235 と 192.168.11.2:1234 の2つでした。192.168.11.2 は、サーバーを起動しているPCによって異なります。また、1235 及び 1234 は、サーバーコマンド rtl_tcp.exe を起動するときのオプション指定にて変更することが可能です。
■ Windows用HDSDR2.76向けTCP接続用DLLの取得
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Windows PCのSDRアプリケーションで起動するケースのうち、HDSDRのように、RTL-SDRドングルをExtIO接続で利用している場合は、TCP接続用のExtIO接続のためのDLL(共有ライブラリ)が必要です。GitHUB から ExtIO_RTL_TCP_2016-3.zip を入手してください(2017年11月現在)。
[GitHUB] extio_rtl_tcp/Win32_Release
ExtIO_RTL_TCP_2016-3.zip から、ExtIO_RTL_TCP.dll を取り出し、HDSDRのインストール・フォルダ(例 C:\Program Files (x86)\HDSDR)へコピーしてください。この時、インストール・フォルダの中に、既に ExtIO_RTL2832.dll がある場合は、RTL-SDRドングルへの直接接続用に使われていたものです。誤って削除せぬよう、ご注意ください。
■ Windows用HDSDR2.76 のTCP接続方法
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(1)
HDSDR2.76 を起動すると、ExtIO_RTL_TCP.dll または ExtIO_RTL2832.dll のどちらかを選択するように、求められます。TCP接続で受信する場合は、ExtIO_RTL_TCP.dll を選択してください。
この選択が不要な場合は、ExtIO_RTL2832.dll
RTL-SDRドングルへの直接接続へ戻したいばあいは、ExtIO_RTL_TCP.dll を削除し、ExtIO_RTL2832.dll を復活させれば、HDSDR2.76 を再起動させることで、元のRTL-SDRドングルへの直接接続の状態へ戻ります。
(2)
HDSDR2.76 を起動し、ExtIOボタンをクリックしてください。以下のようなウィンドウが起動されます。

(3)
このウィンドウにて、サーバーの情報を設定してください。前回記事で起動したサーバー2個のうち、サーバー♯1を設定してみましょう。
Source IP:Port
サーバーのIPアドレス
Frequency Correction
HDSDR2.76を起動後、信頼できる周波数の放送を受信し、正しい周波数に合わせてください。
RTL AGC
RTL-SDRドングルの復調LSIのAGCのON/OFFです。聞きやすい方に設定してください。
FC0013-Tuner AGC
RTL-SDRドングル チューナーIC AGC のON/OFF。聞きやすい方に設定してください。OFFにした場合は、TunerGainのスライダーを使って手動で調整することができます。
とりあえず、この状態で、Windowsのラップトップ・パソコンを使って、リモート受信を楽しむことができます。
['17/11/25 追記] Windows用のアプリとして、HDSDR2.76の他に、SDRSharp(SDR#)もTCP接続が可能です。
■ Android用アプリ SDRoid のTCP接続方法
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(1)
Androidスマホを使って、リモート受信する場合、候補となるアプリは複数ありますが、そのうち、無料でトライすることができる SDRoidを紹介します。アプリから入手後、START RADIOをクリックしてください。
(2)
右上に”FM"と表示されている部分があります。アナログ短波を受信するので、ウィンドウが開いたら、"AM"を選択してください。

(3)
右上の":"をクリックし、"Setting"を選び、以下のように設定してください。
Source Type
RTL-SDR
Source Settings → Use External rtl_tcp server
ON
IP Address
サーバーで起動したIPアドレス。
前回記事で起動した2つのサーバーのうち、サーバー♯2を試してみましょう。
Frequency Correction (ppm)
周波数がずれている場合は、ここで調整する
Up/Down-converter frequency offset (Hz)
-100000000 Hz(*1)
(*1)
SC-HFCONV-100のように、100MHzタイプのHFアップコンバータを利用している場合は、-100000000 Hz を設定してください。
設定を終えたら、Andorid側のBackボタンで戻ってください。
(4)
再生ボタンを押してください。

サーバーの受信機が起動されます。もし、TCP接続が切れた場合は、再生ボタンを押すと、受信を再開します。
(5)
右上の"Hz"を選択してください。周波数をMHz単位で入力します。

(6)
受信状態になります。

これで、リビングや浴室で、ゆっくりと短波受信を楽しむことができます。さらに、WindowsのラップトップとAndroidスマホの2台で同時受信できるようになりました。もちろん、スマホ2台でも問題ありません。独立した受信機が2台完成したことになります。
防水型のスマホを想定しています。浴室でピーピーガーガー鳴らし、ご家族から、どのような目で見られるか?については・・・わかりません。
■ 前回記事
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TCP接続によるRTL-SDR受信機リモート運用(その1) ('17.11.11)
TCP接続によるRTL-SDR受信機リモート運用(その2) ('17.11.18)
■ 感謝
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この運用は、ゆうちゃんのパパさんが執筆されているブログ 『KG-ACARS HFDL VDL MCAに感謝 受信方法 受信記録のブログPlus RTL-SDR』 にあるノウハウを拝借しています。重ね重ね、感謝申し上げます。
【関連記事】
[特集記事] USBドングルでSDR受信機
HDSDR 2.76 ('17.2.3)
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