2021年08月29日

A21 東京2020の放送体制と賠償金

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東京五輪に対しては、世界各地からメディアが集まりました。これに関係する情報や記事をまとめました。

オリンピックの放送は、そのすべてをNHKや国内民放が担(にな)うわけではありません。すべての放送はOBC(Olympics Broadcasting Services /オリンピック放送機構)と呼ぶIOCの下部組織が担当します。本部はスペインのマドリードにあります。オリンピックの放映を希望するメディアは、ここへ放送権料を支払い、その一部は国際放送の担当を委託されます。

東京2020の日本国内における放送内容については、ここでは扱いません。主に東京2020に関する国際放送とその運営方法についてを扱います。

その件については、OBCから次のプレスが発表されています。
Tokyo 2020 Broadcast Operation Explained (OBS '21.06.25)

この説明の中にて、メディアガイドと呼ぶルールブックがダウンロード可能です。

オリンピック(パラリンピックを除く)の放映権者を意味する放送局については、メディアガイドのp.12で分かります。オリンピックについては、日本はJCと呼ばれるジャパン・コンソーシアム(NHKと民放が共同出資)が担当します(注:パラリンピックはNHK独占)。これを見るとわかりますが、国によっては有料チャンネルが担当する場合があります。

 米国  NBCU (NBCユニバーサル)
 メキシコ Televisa
 英国  BBC
 スペイン TVES
 ノルウェー NRK
 南アフリカ SABC
 中国  CMG
 韓国  SBS
 オーストラリア Seven
 ニュージーランド Sky NZ
 日本 JC

東京五輪(パラ除く)においてOBSが利用するビッグサイトのホールは p.30 に説明があります。

・新東展示棟
 OBSやRHS(各国のメディア)
・東展示棟
 OBSやRHS(各国のメディア)
・ビッグサイト・エントランス
 メインエントランス
・利用期間
 7月23日から8月8日まで。

また、p.55 には、お台場に設置されたスタジオについての説明があります。

・お台場に2つのテレビタワーを建設し、全世界向けテレビ中継に備える。
・テレビスタジオ設置に必要なモジュール(組み立て用資材)は、リオ2016と平昌2018で使用されたものを再利用する。
・このモジュール再利用によりコストは75%削減される。
・モジュール利用により取り付けと解体に必要な時間は20%削減される。

スタジオを収容するテレビタワーについては、次のように説明されている。

・6件の各国メディア(RHB)用のスタジオ(シングル4つとダブル2つ)を収容し、横に4つのスタンドアップポジションを配置。
・全施設から、東京湾に設置されたオリンピックリング、レインボーブリッジ、東京タワーを一望できる。
・2014ソチまでは、大量の廃棄物を発生させたことも含め、コストも高くなった。
・2016リオでは、電源パネル、天井、照明、カーペット、エアダクトなどが回収され、2018平昌へ海上輸送し、再利用された。
・2018平昌で利用されたパネルとモジュールの一部は、ウガンダの難民キャンプの住宅建設に活用された。
・2020東京の目標は平昌2018の資材の90%を再利用すること。再利用できなければ、国連機関への寄付などが検討される。


その一方、メインとなる東京ビッグサイトのIBC(国際放送センター)は21年6月にオープンとなりました。
東京五輪 開幕まで1か月 国際放送センターがオープン (NHK '21.06.23)

この国際放送センター内のショップについては、週刊新潮が報道しています。
江戸木目込の招き猫1万6500円、リカちゃん人形4950円……海外メディアに人気の五輪土産リスト (週刊新潮 '21.08.08)


さて、残る問題は資金です。

放映権とそれにかかわるIOCからの拠出金については、21年6月にフライデーが取り上げています。
五輪最大スポンサーが本番計画を発表 モノ言えない東京都の裏事情 ('21.06.13)

まとめると、以下のような内容です。

<放送権者>
 全米向け五輪放送権を独占するNBCユニバーサルは、米国では午前になるにも関わらず開会式を生中継し、7千時間の放送計画を持つ。また、IBC国際放送センターとなるビッグサイトは 5月5日から9月29日まで利用される。国際中継の一部を担う中国の中央テレビは、5月時点で東京では3千人態勢となる、と報じた。

<IOCから組織委員会に対する拠出金>
 放送権者から収入を得たIOCからは、850億円を組織委員会へ拠出する。これについて、万が一、大会を中止した場合は、次のルールが適用されるようです。

<大会中止の場合>
 1)万が一、大会中止となった場合は、組織委員会がIOCへ支払う。(注:一時期議論された賠償金とは性格は異なるが、これに相当すると思われる。)
 2)記事中のコピーにあるが、組織委員会が資金不足に陥った場合は、都が補填する。


記事によれば、組織委員会が販売した入場料の収入は900億円。五輪開催前(6月)の記事によれば、すでに300億円を使用済み。五輪が実施されたことで、さらに使い込まれたと思われ、今後、その入場料等の返還が大きな問題となるでしょう。

<ビッグサイトの利用料>
 放送センター等に利用する東展示場と西展示場の1日料金は3982万円。期間中の49日間で単純計算すると19億円(光熱費を除く)。これを支払うのは組織委員会。ビッグサイトの土地は東京都の所有。


いづれにせよ、最終的に無観客開催となったことや、コロナ対策により、莫大な負債をかかえることになるでしょう。最終的に誰が損をし、だれが補填するのか・・・。国会も開かれておらず、東京都が再建監理団体(事実上の倒産)となって夕張市(北海道)と同様に、東京都が国の管理下になる事態を、国が待っているのでしょう・・・。

再建監理団体になれば、ありとあらゆる予算執行は、国の事前了解が必要となり、東京都知事なんて、単なる名誉職になるだけです。

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posted by ラジオの声 at 14:10| オリンピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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