2022年07月18日

A22 Radio Free Europe がテーマのスパイドラマ

2022年6月、ポルトガル国内の優秀映画・テレビ作品を表彰するアワードにおいて、ラジオ・フリー・ヨーロッパのポルトガル送信所を舞台とするスパイ活動を扱うテレビ番組が、最優秀テレビシリーズ賞を獲得しました。このテレビシリーズは日本でも視聴可能です。

SOPHIA 2022 受賞作品(ポルトガル語)

このテレビ・シリーズのタイトルは「Gloria」(ポルトガル語で栄光の意味)。2021年、ポルトガル国営放送(RTP)が共同製作に加わり、Netflix向けの番組として製作され、22年7月現在、Netflix日本語版でも視聴可能です。

舞台は、1961年から96年までの35年間稼働していた Radio Free Europe のポルトガル中継所。受信所と送信局があり、RARETと呼ぶ名称で建設されました。その建設にはCIAが関わったとされています(現在の RFE/RL は米国議会の傘下にあり、CIAとは無関係)。

西ドイツのミュンヘンから無線により伝えられたニュースをマクソケイラ(maxuqueira)受信所で受信し、録音テープが作成された後、車を使って、RARETのグローリア・ド・リバテホ(Gloria do Ribatejo)送信所へ届けられ、亡命者を中心とする翻訳者によって、ロシアや東欧の言語に翻訳され、東欧に向けて放送されました。このテレビシリーズの1回目では、車を使ってテープを届けようとしていたところに、何者かによってテープを奪われる場面から始まります。

テレビ番組は 1958年、独裁(サラザール政権)の続くポルトガルを描いています。中立を保っていたが、連合国軍寄りではあるものの、必ずしも米国と仲が良いわけではない、という時代背景。主人公のジョアンは、ある組織からの特命を受け、RARETを舞台に、米国CIA、PIDE(ピード=ポルトガルの秘密警察)、ロシアKGBが三つ巴の諜報活動を行う中の、手に汗握るテレビシリーズ全10話。冷戦の中の、最も緊張した時期が描かれています。

また、放送局に勤務するアメリカ人やポルトガル人は、必ずしも東欧の言葉を理解できるわけではありません。翻訳者として雇われた亡命者が本当に信用できるのか、また、本当にアメリカの意思に沿った翻訳になっているのかどうか、いろいろと怪しまれたことも、時代背景として知っておくべきことかもしれません。また、ポルトガルもアンゴラで内戦をかかえ、戦死者を多く出していました。

テレビ・シーンの中では、当時の短波放送所設備が再現され、ロシア・東欧からのジャミングに応じて、周波数を変更する場面、送信用アンテナを整備する場面なども登場します。(95年に停止した送信機は、その後、テニアン島へ移設されました。)

この番組はR15+指定であるが、大人向けの番組で、血が流れるシーンもあります。弱い方はご視聴を避けて下さい。

なお、このテレビ番組が、22年7月17日、プラハにある RFE/RL 本部にて上映され、当時のRARETの責任者も招待されたそうです。



【参考サイト】
 冷戦時代からの放棄されたラジオ局-RARET-2018-リマスター-5つのエピソードすべて ('20.12.25)
 RARET - Radio Retransmissao (RARET中継所) ('14.07.06)
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http://radio-no-koe.seesaa.net/
posted by ラジオの声 at 09:58| 短波放送 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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