BBCは、23年7月15日(UTC)を最後にシンガポールのクランジにあった極東中継所を廃止しました。
クランジは、戦前、旧日本軍の拠点が置かれていた場所です。その場所は現在、戦没者墓地になっています。BBCは極東中継所用の土地を、シンガポール政府から借りていました。旧ラジオ・シンガポール・インターナショナル(RSI)による短波送信にも使われていた場所で、狭い国土の中で、現地では再開発の期待が強かった土地でもあり、RSIの廃止後も15年間続いた賃貸契約を終了し、シンガポール政府へ返却することとなりました。
BBCによる終了予告については、大掛かりな告知はなく、1日数回、1分程度の告知が行われました。私は未確認でしたが、終了1週間前から予告が始まっていたそうです。
私が確認した終了予告のアナウンスは2359ですが、他のリスナーさんによると、1859にもアナウンスされていたようです。その内容については、放送曜日と時刻によって多少異なりますが、この時刻のアナウンスは英国のリスナーさんの助けを借りながら、次のように聞き取ることができました。
This is the bbc world service. we are sorry to tell you from tomorrow we are closing our Singapore transmitter and you will no longer be able to hear us on this shortwave frequency, you can listen to the BBC World Service 24 hours a day at bbcworldservice dot com.
シンガポールからは、英語の他に、ビルマ語やコリアンサービス(韓国語)も送信していました。そのうち、以下がコリアンサービスの最後の送信となりました。14日深夜(15日)午前3時前の放送終了です。特にアナウンスはありませんでした。なお、今週から、コリアンサービスは、米国IBBのフィリピン(Tinang)、テニアン島、ドシャンベ(タジキスタン)から送信されています。
終了を控えた15日深夜に受信したメッセージです。12025kHz。
16日の朝9時前、終了時刻直前を記録した様子です。この6195kHzは、日本では受信が困難であったため、タイのリモートSDRを利用して受信したものです。特にアナウンスもなく、停波しました。なお、この周波数以外でも同時に停波したとの報告が他のリスナーさんからもありました。
北朝鮮に向けた放送については、IBBが所有する送信所を活用できるため、アジアでは引き続きBBCの電波が発信され続けますが、植民地時代の名残が消える一つの歴史的場面でもありました。
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2023年07月19日
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